寝室-羽毛布団の選び方
ふんわり軽くて、あたたかい。吸湿・発散性に優れ、ムレにくい。羽毛布団は、今や掛け布団の代表格。産地や種類、価格の違いってなんだろう?お手入れ方法は?そんな羽毛布団のあれこれにお答えします。
羽毛布団のおすすめポイント
- 軽くて
ふんわりからだへの圧迫を
やわらげて負担を軽減 - 優れた保温・
吸放湿性空気の層が、一晩中あたたかさをキープ。吸放湿性により、さらさら快適
- バツグンの
フィット感からだの隙間をしっかり埋めて冷気を侵入させにくい
羽毛布団の選び方
1.羽毛の種類で選ぶ




羽毛にはダック(アヒル)とグース(ガチョウ)の2種類あります。グースはダックに比べて体が大きいため、ダウンボールと呼ばれるボール状の羽毛が大きく、ダウンボール1個あたりの毛の本数も多いので、より保温性に優れます。
2.あたたかさレベルで選ぶ






ニトリでは、掛け布団の保温力を計測し、6段階のあたたかさレベルに分けています。数字の大きい方がよりあたたかく、寝室の環境や好みにあわせて、快適な掛け布団をお選びいただけます。
3.ふとんの形状で選ぶ
- 立体キルト加工
高さのあるマチが、羽毛をつぶさず保温力を高めます。
- 完全二層式
キルトパターンをずらした二層構造で、均一なボリュームにより保温力・フィット感を高めました。
- 完全三層式
二層構造の中心層に羽毛層を一層加えることで保温力が高く、キルト加工がフィット感を高めます。
- 2枚合わせ
冬は2枚合わせであたたかく、春と秋は合掛け、夏は肌掛け布団で、オールシーズン使えます。
4.産地で選ぶ

羽毛の産地はさまざまありますが、緯度が高く寒さの厳しい地域の水鳥のものほど良質で、あたたかいと言われています。ニトリでは5つの産地の羽毛を使用していますが、中国産、ウクライナ産、シベリア産、ハンガリー産・ポーランド産の順にボリューム、あたたかさがアップしていきます。
5.ダウンパワーで選ぶ


ダウンパワーとは、「羽毛のふくらみ」を数値化したものです。数値が高いほど、よくふくらみ、軽くて保温力の優れた羽毛ふとんになります。
ワンポイントアドバイス
ワンサイズアップのふとんを使うと、
より快適に眠れます
かるふわシリーズのおすすめポイント
約40%軽量化

※生地と羽毛の重量のみの概算値です。
従来品と同等以上のボリュームのまま、約40%の軽量化を実現しました。掛けた瞬間に、実感できる軽さです。
吸い付くようなフィット感

かるふわシリーズの側生地は、やわらかく、しなやか。体に優しくフィットするから、布団の開口部面積を従来品より減らすことができ、肩口から冷気が入るのを防ぎます。
また、体によりフィットしやすいキルト形状なので、寝返りをうってもはだけにくく、心地よいあたたかさを保ちます。
超軽量高密度生地

軽く薄く、なめらかな側生地を帝人社と共同開発。一般的な羽毛ふとんの側生地に比べて、約50%の軽さです。軽くて薄いのに、超高密度だからダニやほこりも通しにくく、しなやかさが羽毛のダウンパワーを最大限に活かし、ふんわりとボリュームが出るのです。
羽毛布団のお手入れQ&A
- よりあたたかい羽毛布団とは?
-
羽毛のあたたかさは、量ではなく「ダウンパワー」によって決まります。ダウンパワーとは羽毛のふくらむ力を数値化したもの。水鳥の種類、産地、製造工程などの条件によって変わり、ダウンパワーが高いほど多くの空気を取り込みあたたかさを逃がさないので、より良質な羽毛と言えます。
- 価格の違いはダウンパワーの違い?
- それだけではありません。以下の条件が価格を決める重要な要素となります。
羽毛の種類と産地ダックあるいはグース、またその産地や飼育された地域などによる品質の違い。羽毛の混合率羽毛布団の中身は羽毛(ダウン)と羽根(フェザー)の混合です。(通常ダウン率が高くなると価格も上がります。)側生地(がわきじ)の品質羽毛を包む生地の、糸の質や織り方、一定面積における生地の密度(たて糸とよこ糸の本数)などによる品質の違い。仕立て方加工・縫製(キルティング方法)の違い。
- 羽毛布団の上手な使い方は?
- 保温力を増すために、羽毛布団の上に毛布などを重ね掛けしましょう。毛布はできるだけ軽いものがおすすめ。毛布の毛並みが一定方向のものはすべりやすく、寝返りの度に毛布が移動するので不向きです。
- お手入れ方法を教えてください。
-
汚れ防止のため、ご使用時は必ずカバーをつけてください。羽毛布団本体が汚れてしまった場合は、部分洗いをしましょう。洗濯機での頻繁な水洗いは生地を傷めることがあるため注意が必要です。洗濯機で洗う場合はネットに入れてたっぷりの水に沈め、必ず中性洗剤を使用してください。なお、ドラム式洗濯機は布団を十分に水に浸すことができないので不向きです。脱水後、中のダウンをよくもみほぐし片寄りをなくしてから、風通しの良いところで陰干しします。クリーニングに出す場合は、石油系ドライクリーニングか水洗いが良いでしょう。
- 羽毛布団はたたいていいの?
- 羽毛布団に限らず、布団たたきは表面のホコリを落とす程度にしましょう。強くたたくと布団の詰め物や側生地を傷める原因になります。たたく代わりに、両面に掃除機を軽くかけるのも良いでしょう。
- 保管方法を教えてください。
- まず汚れがあれば除去し、陰干しをしてよく乾燥させます。保管場所は湿気のない場所が理想的ですが、押入れなどに保管する場合は床や壁にスノコを置き、通気性のあるケースに入れるか布に包んでから保管しましょう。布団圧縮袋のご使用は、内部の羽根の軸が折れる可能性があるためおすすめしませんが、やむを得ずご使用になる場合は圧縮しすぎず、適度に空気を残してください。
- 羽毛のにおいが気になったら?
- 羽毛には、その種類にかかわらず特有のにおいがあります。これは油脂分が原因ですが、油脂分を完全に除去してしまうと羽毛の寿命が短くなってしまいます。そのため、製造工程で洗浄・殺菌を行っても、においを完全に消すことは困難なのです。羽毛のにおいが気になったら、一度折りたたんで布団内部の空気を押し出し、風通しの良いところで陰干しすると改善されます。
- 羽毛布団からダニはわくの?
- 殺菌処理などによりダニや害虫などを完全に死滅させているため、基本的に羽毛布団からダニや害虫がわくことはありません。また羽毛布団の側生地は、羽毛を通さないために特に目が細かく、さらにその目をつぶすダウンプルーフ加工が施されており、ダニが生地を通り抜けることはできません。
羽毛布団のはなし

羽毛は、およそ7~8世紀頃から寝具の充てん物として、ヨーロッパ各地で使われるようになりました。わが国でも明治時代からあったようですが、当時は高級品で一部の特権階級だけのためのものでした。昭和40年代になると、国民の所得の増加や当時の物品税の廃止、さらに、中国との国交回復により羽毛を安価で安定的に輸入できるようになったことから、普及に拍車がかかりました。急激な普及による様々な問題を解決しながら基準の改革や品質改良が重ねられ、さらに日本の健康志向の流れも功を奏し、現在では「掛け布団と言えば羽毛布団」と言われるほど、多くの家庭で使われるようになりました。